このように、あがり症で悩んでいる方で思っている方はたくさんいらっしゃると思います。
そう思うのは、あなたがあがり症に効果のあるいろんなことを試してみて、挫折してしまったからなんですよね。
この記事では、10年間何度も人前に立ち、失敗し続けた私が、
自分の症状を変えることができた方法をご紹介いたします。
この記事の概要
周りの人に相談しても解決しなかったあがり症
私があがり症で悩んでいた時には、勇気をもって友人や家族、学校の先生に何度か相談しました。
しかし、解決に至ることはありませんでした。
「誰でも緊張するよ」
「深呼吸するとリラックスできるよ」
「経験が足りないんだよ」
これらのアドバイスはよく聞きましたが、残念ながら私の症状が改善することはできませんでした。
それもそのはず、あがり症の人が困るような震え、混乱、恐怖は経験した人しかわかりませんし、解決した人にしか解決法がわかりません。
私は解決法を得られることを期待していましたが、それは自分の間違いでした。
専門家でもないのに、周りの人に期待することはただの責任転嫁です。
自分で責任をもって思考錯誤し解決法を探さなければなりませんでした。
自分で試行錯誤したあがり症対策
あがり症改善のために多くのことを試しました。
あがり症、心理学関連の書籍をたくさん購入し、
精神科、心療内科、カウンセリングを受診、
薬の服用と認知行動療法の実践、
あがり症関連のセミナーにも参加しました。
そのなかで、私のあがり症改善に効果があったのが
「アレクサンダーテクニークによる脱力」
でした。
アレクサンダーテクニークとは?
アレクサンダーテクニークとは
フレデリック・マサイアス・アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander, 1869年 – 1955年)という人が発見した技法です。
神経症などの病気、腰痛などの慢性的な痛みなどは、普段の自分の身体の使い方が間違っているために起こっている場合があり、
無意識の動き、反射的な動き(いわゆる癖)を抑えることで改善に導くことができることをアレクサンダーは発見しました。
もともと俳優だったアレクサンダーは自分の声がすぐ枯れる症状をもっており、手術などをしても改善することができませんでした。
あるとき、鏡で自分のことを確認しながらセリフを練習していると、セリフを言うときに無意識に力で喉を押しつけていることに気づきました。
アレクサンダーはそれをやめるようにすると次第に声枯れを改善することができ、ほかの身体症状にも応用できるようにこの技術を発展させていきました。
日本ではあまり知られていませんが、音楽業界(特に吹奏楽)ではこのアレクサンダーテクニークを用いた指導がよく取り入れられています。
ヨーロッパやアメリカなどでは大学の講義で学ぶこともできます。
ここから先にはアレクサンダーテクニークの教室で学んだことを元に紹介していきます。
あがり症の人が人前に出る前にやるべき訓練
あがり症の人に共通する特徴の一つは、「身体の感覚(筋肉の感覚)に鈍感なこと」です。
多くの緊張の場面にさらされるがあまり、筋肉が緊張することに慣れてしまい、萎縮し、感覚が鈍くなってしまうのです。
また、困ったことに脳で分かっていても身体が失敗経験を覚えてしまうと、
同じ状況下に置かれた際に身体が勝手に反応して緊張を生み出そうとしてしまいます。
これらがあがり症が解決できない一因です。
ですから、あがり症を解決していくにあたって大切なことは
緊張する場面になった時に「身体が反応して無意識に筋肉に力が入っていることに気づき」、
その「反応を抑制する」ことができるようになることなのです。
私もそうだったのでよくわかるのですが、周りから
と結構言われます。
しかし、そう言われてもまず「自分のどこに力が入っているのか気づくことができない!」
そして、「力の抜き方もわからない!」といつも悩んでいました。
これらの感覚がわかるようになったのは、アレクサンダーテクニークの教室で脱力法を学んでからでした。
何も緊張のない空間で脱力の練習をし、筋肉の状態をコントロールできるようになってからは本番前や本番中でも力を抜くことができるようになりました。
これで変わった!あがりの症状を抑制する方法
脱力法を学ぶ
脱力をするためには、自分の体がどのようになっているか学び、どこが脱力できていないのかをわかることが重要です。以下の作業1〜4をひたすら繰り返すことで次第に緊張していた部分の脱力ができるようになっていきます。
- 身体の仕組みを学ぶ
- 脱力するために姿勢や筋肉の状態を見直す
- 身体の力みが取れることを味わう
- それが自分にとって楽であることを感じる
アレクサンダーテクニークの訓練では、講師から動きが硬くなっている部分(筋肉が緊張している部分)を指摘してもらえるので、そこの動きを改善していくワークをひたすらしていきました。
身体の緊張は自分では気づきにくいことなので、講師に診てもらうことで早く脱力できるようになります。
自分で脱力法を学びたい方は、アレクサンダーテクニークで学んだ脱力法をこちらのページにまとめておりますのでいろいろと実践してみてください。
脱力の感覚がわかるようになったら
脱力の感覚がわかるようになっても、「自分一人の時はできるのに他人に見られているとコントロールできない」ということはしょっちゅうあります。
その場合は、脱力の状態をどんな時でも生み出せ、維持できるようにトレーニングしましょう。
- 脱力の状態を保ったまま一人でパフォーマンスを練習する
- イメージトレーニングで緊張する場面を生み出し、その状態で脱力してパフォーマンスができるように練習する
- 実際に少人数の前で脱力しながらのパフォーマンスを繰り返し練習する
まとめ
身体が反応して無意識の緊張を生み出していることに気づく
無意識の反応を抑制できるように脱力法を習得する
実践に入る前に脱力したパフォーマンスの練習を繰り返す
無意識の反応はいわば本能であり、自分の思考や意志よりも行動の優先順位が高くなります。
これを変えない限りはいくら練習しても変わることはできません。
できればしっかりとトレーナーのいる環境で行うことがベストではありますが、一人でもやらないよりは効果があると思います。このブログではさまざまなあがり症の解決法や脱力法を紹介しておりますので、ぜひ実践してみてください。