姿勢を正して!と言われたときに
とりあえず背筋をまっすぐにして立つと思います。
でも、本当に正しい姿勢、立ち方がわからない…
という方は多いのではないでしょうか?
いわゆる正しい立ち方は
きちんと骨に身体の重みを預けられており、
脱力した状態で楽に維持ができる
と考えてください。
この記事では、そのような脱力した立ち方について紹介していきます。
人は立つときに無意識に力を使っている
骨の周りには筋肉がついていますが、
人はこの筋肉を使って骨格を動かすことで活動しています。
立つときには筋肉を使っている感覚はないかもしれませんが、姿勢を維持するために常に筋肉は使っているのです。
ただ、この筋肉のは激しく使われていないですし、動きや緊張は感じることが難しいです。
普段から感じていたら、他のことに集中できなくなってしまいますからね。
赤ちゃんの時には必死にバランスを取って立とう!としていた身体も
だんだんと大人になるにつれ、筋肉が発達して簡単に体を支えられるようになり、
バランスを取ろうとする感覚は失われていってしまいます。
骨格を観察してみよう
人間の身体を骨格標本で見ると正面から見た時には幅がありますが、横から見た時は薄く平らになっています。
正面から

真横から

正面から見た時には左右対称になっていますが、横から見ると骨格の形が対称では無いことがよくわかると思います。
背骨はs字に曲がっています。
関節は前後どちらにも可動域があるところもあれば、前後で可動域が異なる部位、ひざ関節などのように片方にしか曲がらない部位など様々あります。
観察をすると、左右にはバランスが取りやすく、前後にはバランスが取りにくいということがよくわかります。
人間の体はテントのよう
人間の「骨」は家でいう柱の役割を担っています。
テントを例にすると、よりわかりやすいかと思います
テントは、骨組みを両サイドからロープで引っ張って立たせています。
もし、骨組みがまっすぐ立っておらず、どちらかに傾いていたらどうなるでしょうか?
片方のロープの負担がとても大きくなってしまいます。
同じようなことが人の体でもおきます。
人間のからだは左右に見れば対象ですが、
前後にみると重要な器官は前にあり、背ボネはS字カーブをしていて、非対称になっています。
つまり、前後にバランスが崩れやすいのです。
その結果として猫背になってしまったり、姿勢を正そうとしすぎるあまり反りすぎてしまったりしてしまいます。
こうなると、からだのあちこちに痛みとなって症状があらわれてきてしまいます。
身体に痛みが出てくる前に楽な姿勢を学ぼう
姿勢が崩れていても、若い時や短時間の作業の時では何も感じないでしょうが、
年月が積み重なっていった時、又は長時間の作業をした時に
それは痛みとなって身体に現れてきます。
痛みが出てきてすぐに休めるのであれば良いですが、仕事などどうしても休めない場合もあります。
ですので、痛くなる前に、「楽に作業ができる姿勢」を学ぶ必要があるのです。
立つ時に重要な関節
立つ時には次の関節を固定しないようにします。
- 足首
- 膝関節
- 股関節
- 頭と首の関節(環椎後頭関節)
これらの関節は可動域が広く、関節同士が丸みを帯びていて滑りやすい構造になっています。
バランスボードに乗っている時のように滑らかに動くと考えてください。
バランスが崩れやすいため、これらの関節は筋肉で固定してしまいがちです。
骨でバランスを取ってみる
脱力した状態で下の関節から順番に前後に揺らしてみましょう。
前後に揺らしていると途中から張ってくる筋肉が前後で変わると思います。
どちらかが張っている=過度に使われている
ということですので、間にあるちょうど良い位置を探してみてください。
骨が上手く乗った時には筋肉の張りが弱くなり、楽な感覚が生まれると思います。
まとめ
- ・立つだけでも維持するために力を使っている
- ・人の体は前後のバランスが取りにくい
- ・可動域の大きい関節を固定しないようにする
- ・常にバランスボードに乗っている時のようにバランスをとり続ける
- ・脱力ができるようになると楽な感覚が生まれる
- 脱力はやればやるほどにコツがつかめてきますし、どこでもできるトレーニングですので気付いた時に感覚を研ぎ澄まして練習してみてください!